株式会社フジデンの給与制度

・フジデンの年収体系

基本給もボーナスも社員ランクに基づく成果報酬となっていますが、給与は総じて低いです。大卒で20万円×12ヶ月の240万円がベースとなり、ボーナスは実績に応じて15〜40万円程支給されますが、入社して数か月の間もない新人は賞与が支給されません。忙しい店舗はその分実績が上げやすいのでボーナス等が多くなりますが、もらえている社員でも平社員では年収350万円くらい。暇な店舗だと、仕事が楽な反面、年収は200万円くらいとなります。在籍店舗でかなり給与差がありますが、世間的に見て低い年収であることに違いはありません。福利厚生もこれといった制度はなく、スポーツクラブ会員の割引があるくらいです。当然ながら社宅や独身寮はありませんので、年収200万円程度でも家賃自己負担。実家暮らしでなければ生活は苦しいです。

・残業代は固定

採用募集では月収20万円で募集していますが、基本給を低く抑えみなし残業代などで20万円に乗せるといった給与形態です。みなし残業とは、つまり残業代が固定されているということです。そして、みなし残業とはいえ、みなされている残業時間を超えてしまった場合は、直属の上司と一緒に反省文を書かされ、差額分が支給されるどころか減給されてしまいます。規定の残業時間を超えると、減給の罰則が課されるとなると、当然、社員は黙ってサービス残業をすることとなります。こういうのを、一般的にブラック企業というのではないでしょうか。


・昇給システム

昇給は半年毎の自分自身の成績実績で判定されます。S~Dまでのランクがあり、ノルマの売上のラインを超えるとランクが上がり、職能給が僅かながらアップします。賞与もこのランクと半期の売上に基づいて決まります(売り上げに対してのパーセンテージで決定する)。その他、取得を推奨される資格が3つあり、1つ取得ごとに+10000円です。

ブラックな社風について

・売り上げ命

フジデンの経営方針は、とくにかく「売り上げ命」の会社です。お客様のニーズに素早く気付き、お客様に寄り添ったサービスを「おもてなしの心」で提供する、と謳っていますが、実際はいかに携帯電話、スマートフォン以外のプラスαの商材を契約させられるかを目標にさせられます。もちろん目標が達成出来なければ怒られます。営業の場合は、物凄く無茶な数字を追わされる傾向があり、無理な目標を達成するため、組織体制は頻繁に変わっていきます。スタッフ全員がノルマに追われ店舗内が常にピリピリと張り詰めた空気があり、これに耐えられる人でないと続かないでしょう。

・実力主義

「1年で3年成長する会社」と言われているので、成長の早い人は早いです。若いうちから裁量のある仕事をまかされることもり、多くの経験を積むことはできます。入社年数、新卒・中途・キャリア採用を問わず、実力があり結果さえ残せば、誰でも重要なポストに就くことも可能で、事実、入社一年目でauショップの店長を任されることもあります。こういう若手が大抜擢される事例を作らないと新卒社員が入らないという内情もありますが。
年功序列や終身雇用とは無縁の会社ですが、その反面、評価は実績と数字しか見られていないため、どんなに人間性で優れた人材でも、実績が伴わなければ上に上がることはできません。力があると評判の店長でも人口の少ない店舗にいけば、降格して戻ってくるケースもあります。また、若いうちに役職についてしまい、精神的に疲弊している人も多いと聞きます。

・高い離職率

スタッフ同士の仲は非常に良く、その点では働きやすい環境ですが、離職率が高いです。入社試験のハードルは低く、ある程度人当たりの良さがあれば誰でも容易に入社できるのは、それだけ離職率が高いため、常に大勢採用をしているということです。リクナビネクストではフジデンから頻繁にスカウトメール(いきなり最終面接とか)が送られてくると有名ですが、そこまでしないとなかなか人は採用できないようです。

ベテランスタッフが辞め、新人スタッフがその穴埋めで入社するサイクルで店舗が回転しており、人数と人材には常に余裕がありません。この会社の一番の問題は成長した社員が辞めてしまう人材流出と退職率が高い現状にあると感じます。誰もが常に転職を考えています。

・スタッフ同士は仲良し

接客という職業柄、基本的に明るく、真面目な社員が多く、職場の人間関係は悪くはありません。1日の大部分をショップで共に過ごすこともあり、スタッフ同士の仲は良い店舗が多いです。新卒で入社した場合は、内定後に社員交流会やウォーキングラリーなどの催しが企画されており、入社する前に仲良くなることもできます。また、年に一回、大々的な懇親会が行われたりと、社員に対しての気配りは、表面上行われています。この社員同士の仲の良い雰囲気があるが故に、辞めたくても辞められないと感じている社員は数多くいます。逆に言うと、仲の良い同期スタッフの退職を機に辞めてしまう社員は多いです。

・将来性

フジデンの強みは通信業界に関係しているので商材が消えることがないことです。M&Aなどの資本提携は基本的に行わずに地道にエリア拡大を行い、今ではKDDIの一次代理店・au専売代理店として、全国トップクラスの店舗数を運営するようになりました。携帯端末の販売なので売り上げに波はありますが、実績に対する意識は高いため、KDDIの担当営業からは信頼されているようです。この先の事業展望はKDDI(au)次第となるでしょう。